早乙女の過去が一気に明らかになるスッキリ回でした。
宮田が同級生だった早乙女の昔話を皆に語りました。早乙女は不良ですが真っすぐな男です。友達は少なく親友のユージもバイク事故で亡くしたという話は同情できました。さらに父親も山の事故で亡くしたようで悲しい過去を抱えた男だと思いました。
玄関にいる藤柴たちが風の音に怯える場面は心底恐ろしかったです。まず藤柴が風の音でバタバタゆれるシートを怖がりました。猿が来た風音だと勘違いしたのです。実際に猿は毛皮か大きなマントのようなものを着ており風にはためくと思われます。しかし彼女が聞いた風音は遺体にかぶせたシートが風でめくれる音だったのです。読んでいてここで少しほっとしましたが先がまだありました。そもそも遺体が何体も山小屋のそばにあること自体がとても怖いことです。その状況が猿の襲撃より安心できるという妙な心理状態に我々は置かれています。そのとき風音にまぎれて猿が登場したのです。
今回、謎の猿の怖さは体のラインが見えないことだと気づかされました。夜間であり大きなモコモコを着ている猿は、どのような体格なのか全く見えないのです。足が太いのか細いのか、筋肉の付き方や骨の太さなど全く不明です。敵の体格が分からない事はそのまま恐怖であると言えます。