安斎の厳しい尋問に戸惑いました。
夜間に皆が寝静まったころ、窓を開けようとした氷室を早乙女と安斎が捕まえました。そもそもいくら空気の入れ替えといっても窓を開けるのは不自然です。猿が襲ってくる状況で不用意にも窓を開けるのは危険な行為だと思いました。さらに氷室が内部の犯人だとすれば猿の犯行に見せかけるには最適です。窓を開けておくことで猿の侵入を偽装することができます。その際どのように鍵のかかった窓を外の猿が開けたかは謎になりますが、とにかく猿の犯行を匂わすことは可能です。
待ち構えていた早乙女たちが氷室を縛り上げました。この時、氷室は手首を吊られて足が付かない状態にされました。これはかなり厳しい拘束に見えます。単に逃亡を防ぐだけなら足も縛って寝かせておけば済むのです。吊り下げた氷室に大使て安斎はフォークで彼の足を刺しながら尋問を開始しました。
今回の安斎の考えを推測するとこうです。まず氷室が犯人なら他の協力者の有無などを暴露させたいということです。これから十時間以上山小屋に閉じこもる上で、もうひとり犯人がいれば大変です。もし氷室が犯人でないなら新たに犯人捜しをしなければならないことになります。この考えは合理的ですが不安もあります。氷室がフォークの痛みに耐えかねて嘘の自白をしかねないと思いました。時間が無い中で、どのような尋問が正しいのか私は戸惑いました。