主人公が明確に誰であるか分からない状況が楽しめました。
この作品は主人公を特定しにくいと思いました。一応、早乙女という若い男性社員が主人公候補です。しかし決め手になる描写は物語冒頭の山岳事故シーンだけです。この主人公がまだ分からないという怖さは確かにあると思いました。もしも主人公が確定すればその人物は死なないのです。主人公が死亡するならば壮大なエピソードをからめた終盤です。しかしまだ二話の段階では主人公は絶対に死んではいけないのです。逆に言うと主人公が不明な段階では誰が死亡してもおかしくないという不安定な怖さがあると思いました。
研修中に回収した携帯電話が見つからないことで事態はさらに悪化してしまいました。もし携帯で救助を呼べるならば動かないという選択肢があります。天候も安定してるようなので24時間あれば必ず助かると思われます。しかし救助が呼べないので自ら下山するほかなくなりました。このあたりは山岳ならではの恐怖だと思いました。
メガネの社員がシムカードの無いスマホで地図を見ていました。社長も地理を把握しているようで皆で下山ルートに向かいました。この後、トラップが仕掛けられていることから人為的に攻撃されていることが分かりゾッとしました。