明が無言なのは何かを暗示しているようでした。
吸血鬼同士の戦闘がおこっています。人間のユカを匿っている小春チームを吸血鬼の男衆が追い詰めました。小春はユカと勝次が橋をおろすために時間稼ぎの戦闘を始めました。私はここで吸血鬼同士の戦闘は人間同士とは異なるとみています。まずは防御から考えます。吸血鬼には失血死がないのですからいくら動脈を切られても心臓を一突きされても平気です。吸血鬼が守らなければならない急所は頭部と首のみなのです。ですから本格的な戦闘に入る際にはヘルメットと首を守る何かを巻いて出ることが考えられます。ただ首と頭部だけなら左右の腕を犠牲にして二回は急所攻撃をかわせます。ですから重たいヘルメットなどをあえて付けない防御も納得できます。次に攻撃ですが吸血鬼の急所を狙うには長いヤリや銃は決め手にならないと思われます。銃ではうまくヒットしないと脳を破壊するまではいかず、ヤリも首を切断するまでにはいたらないのです。ですから吸血鬼相手には大きな刃物で首を一気に落とすという攻撃が有効だと思われます。
橋がかかって鮫島は喜びましたが明は無言でした。内部の敵はそれほど強そうではありませんが、小春チームも吸血鬼ですから見逃すわけにはいかないのです。明はまだ小雪の存在は知らないのですが本能的に厳しい掟を実行しなければならないことを感じていると私には読めました。