政府の動きがリアルで非情で楽しめました。
都心での修造の動きの他に本作品ではゾンビパンデミックにおける警察や軍、政府の動きが描かれています。特に政府は日本中に出現したゾンビを掃討して日本を取り戻すと決めています。そして政府側はゾンビの中に知性を持つタイプがいることを把握していてそれが障害になると考えているのです。通常の無知性型つまり普通のゾンビは音に反応しますから誘導してせん滅することが可能です。しかし知性型は衝動的に人を襲う時以外は隠れたり逃げたりして集めにくいのです。これでは仮にすべての無知性型を退治しても知性型がチョビチョビ人を襲ってしまうのでまたパンデミックになってしまいます。知性型を一か所に集めておく方法がカギになります。
知性型ゾンビはスマホなどで情報を集めますから自分たちが殺されると知れば建物内に隠れて何年も船腹することが可能です。彼らは水も食料もいらず寝ないのですから最強です。それを防ぐために政府は知性型を退治しないと広報して収容所に集めるだけとしています。これなら死なずに済むと考えた知性型が自らの意思で出てくると読んだのです。例えていえば、濃厚接触をしただけの感染疑いの者と同じです。彼らは強制隔離を恐れて名乗り出ないのです。しかし軽い短期間の自宅隔離だけで指名も公表しないと広報しておけば自ら名乗り出て自宅隔離に応じる割合も高まります。