人の消えた街というのは良い舞台だと思いました。
修造は両親にメールをするためにコンビニに押し入りました。すでに外出禁止令が出ていて都心のオフィス街は人が全くいない状況です。なるほど住宅地なら住んでいる人がいて、薬品や食料買い出しなどどうしても外出する人もいそうです。しかしオフィス街となれば全く人間がいなくなるケースもありえます。その中で殺人鬼とのバトルが始まるとなるとドキドキ感が増しました。
通常ではオフィス街で戦闘をすると夜中でも監視カメラがありますから警察が飛んできます。いわゆるバトル漫画における「警察が来てしまう問題です。」一名の警察官が現場を鎮圧できなければ応援を呼んで人数は増えます。主人公や敵が特殊能力で警察にも抑えられないとなれば自衛隊が出てくるわけです。そうなるといずれ戦闘は鎮圧されて終わります。もしも軍隊でも鎮圧できないほどの戦闘能力を描くとなると、それはもうリアリティを欠いてしまうのです。
フード男の名は瀬津悠介でした。彼は弟を養護施設に預けて火災で亡くしたため殺人鬼となってしまいました。ゾンビパンデミックの前からです。感染後もそれは止まらず人の消えた街で放火をしたり通り魔をしていました。思えば攻撃本能を制御できる瀬津は人間を襲う理由がないのです。すでに直接の仇の園長はやってしまっているので快楽殺人ではないかと私は考えています。