それぞれの動機が少し弱いのではないかと感じました。
道頓堀を超えるために番人と呼ばれる中型のカイジュウを倒したリーダーたちでしたが魅央が大けがを負ってしまいました。彼女の足は特殊な細胞と融合したものですが大きくえぐれてしまいました。出血多量のためか失神した魅央をかついで移動は難しく四名はとあるビルで一泊することにします。目覚めた魅央は自分の足がカイジュウのそれなら敵の肉を食うことで治癒するのではないかと提案しました。地上の人間たちの主食はカイジュウの臭い生肉なので、それを食べるのです。魅央は地下ではカイジュウ肉を食べずに過ごしてきました。これは彼女自身の趣向の問題ですが菜食主義のような扱いかと思われます。実はカイジュウ肉を長期間食べ続けると融合して姿が異形になってしまうことが確認されています。ですからリーダーたちもそのうち体が変化するはずです。ただ地上では食料の流通が無くカイジュウ肉を食べなければ餓死するので我慢して食べているのです。
さてこれまでの陽や白崎たちの行動の動機はサバイバルです。敵が襲ってくるので逃げることが描かれていました。しかし今回の魅央は地下にいれば箱庭のように安全です。たしかに実験動物ですが幸せな一生を送れた感じなのです。しかし魅央は弟を再生させるためにクローン技術のあると思われる地上に出ました。死んだ弟を再生さえるという動機はあまり共感できないのではないかと私は考えました。さらにリーダーたち3名はそれぞれに動機がありそうです。リーダーは失った仲間の仇を取るという薄めの動機がありました。レンは拉致された恋人を探すという動機があります。しかしこの3名は生まれた時からこのカイジュウだらけの土地で住んでいますからビルの隠れながら敵を狩って食料を得ることは可能です。ただあべのハルクスというビルには安全と様々な情報が集まっている桃源郷だという噂を信じているのです。その桃源郷に入って楽な生活をするという動機も私は薄いと感じています。