大ヒゲ老人にも人間の心が残っていました。
大悟が失神から目覚めると拘束されて肉を食わされそうになっていました。この肉は鶏肉などではなく洞窟内で死んだ者の肉であると私はとらえています。大悟は娘のましろを奪還するためにここまでやってきたのですが、彼女は食われる寸前でした。これまで大ヒゲ老人は幼児を祭りの日に食べてきたので、ましろも食う流れとなっていました。しかし彼女が言葉を発したことで一気に何かを思い出して大ヒゲは食うのをやめました。目の前の幼児が食べ物ではなく母親と同じ人間だと気づいたのです。
たしか奉納祭の生贄の幼児は生まれたばかりの時に産婆の銀に誘拐されていました。そして地下牢に監禁されて、たぶん乳や食料のみを与えられて育てられます。ですから言葉を理解できず発することもできずに食われるためにキープされていたのです。これは大ヒゲ老人がスムーズに食べるために幼児がしゃべれないことは合理的です。ただましろはトラウマをかかえているとはいえ、ちょっとは話すことができたので難を逃れたのでした。