戦場でのアレに似ていると感じました。
列車内で増殖した変異種を止めるために柘榴は新薬を持って後部へ向かいました。後部には脳にあたる部位があり新薬でさらに増殖を促進してやれば破裂して退治できたのです。意外にすんなり成功した柘榴ですが実際に薬剤を注射した野沢という隊員は感染してしまいました。列車は箱の中へ到着しましたが野沢は虫の息でした。もうすぐ屍体化してしまう彼は波金のもとへ運んでほしいと懇願したのです。彼は波金の部下でしたから自分の頭を撃ってもらうためです。
野沢は自分で自分の頭部を撃つことや柘榴に頼むこともできたはずです。しかし彼は波金にやってもらうことを望みました。その真意は不明ですが野沢の中で特別な信頼を寄せていたことは確かなようです。そのメッセージを受け取った波金も瞬時に承諾して頭部を撃ちました。たしかに感染していれば短時間で屍化して危険です。まさか監視のしっかりした箱の中で感染が広がるとは思えませんが迷惑をかけたくない心情も理解できます。よく戦争映画では自分が助からない大けがをしたときは遠慮なく頭を撃ってくれと仲間に頼んでおくシーンを見かけます。それはブラックジョークのようなノリであってもです。通常のっ社会では冗談でもそのようなことは事前に相談しませんが戦場なら別です。しからば現在の箱の中はさながら戦場のような地獄ですから同様の話し合いが行われても不思議ではないのです。もちろん今回は事前の合意はなかったようですから野沢が一方的に決めていたことです。