状況を読み違えてしまいました。
柘榴は千田病院で襲われましたが院長の千田鶴とは誤解が解けました。鶴は外から侵入する者は危険だと息子の福朗とともに撃退していただけだったのです。しかし柘榴が無害だと知り和解しました。実は福朗は免疫系のコデン病を患っており、そのせいで自我を残したまま屍体になりました。柘榴の妹の小桃も同様にコデン病のせいで自我が残っています。柘榴は妹を治療する希望が出来たと千田鶴に頭を下げるのでした。
千田病院の周辺、つまり柘榴やディレクターの漆原の現在地の状況ですが読み違えました。私はてっきり病院は箱の中であると勘違いしていました。しかし現在地は箱の外です。なるほど箱の中ならもっと酷い状況になっているはずですから納得です。
この作品の興味深いのは登場人物たちの立場が合理的である点です。舞台の鹿羽町はゾンビパンデミックによりスクリーニングののちに隔離されたと考えられます。箱の中はもちろんですが逃げられるひとは町の外へ脱出しているのです。そうであるなら未だに残っている人はどういう人物であるかが気になりました。まず柘榴は小桃がいるために検問を突破して逃げられない立場です。千田鶴と福朗も同様です。漆原はメディア関係ということで取材のため残ったと考えれば自然に感じました。またエージェントたちは役人ですから当然残っています。キャラクター設定に必然性があり作品の質が高いと私は思いました。