宮田を助けるのは相当あとになりそうです。
ついに早乙女、葉山、マコトは洞窟の外に出ることができました。とくにマコトは二年ぶりの外出です。そこは避難小屋のような場所で切り立った断崖のテラスにありました。こんな場所は誰が使うのかというのが私の印象ですが登山技術があればギリギリ登ってこれると思われます。やはり洞窟の出入り口を隠すために建てたもので通常の登山ルートではないと考えられます。
葉山はリュックの中身を確認しだしました。洞窟内の最後の小部屋にはビデオテープなど猿の証拠になるものがあって、それを手当たり次第に持ってきたのです。洞窟内は火の海ですから、それしか方法はないわけです。リュックには猿のものと思われる大きな犬歯があり鑑定すれば生物学的に何かわかりそうです。さらにヒモ、胃腸薬などを見つけました。特に胃腸薬は早乙女が何か言いよどんだ感じがあり気になります。私はもしかすると毒薬ではないかと思うのです。猿に飲ませれば一発で命を奪うほどの毒物です。もしそうなら強力な武器となります。ただ早乙女がその重要事実を葉山に伏せた理由が分からないのです。これまで裏切らなかった葉山に隠し事をするメリットはないのです。ただ子供のマコトがいましたから毒物であることを伏せたとも解釈できます。
証拠品のテープなどは先行して脱出していた千葉と清水に奪われました。たしか貴重猿の生存の証拠でも懸賞金が出たような記憶が私にはあります。もしそれが無くても次の捜索隊に参加させてもらえるなどテープは金になりそうです。千葉は早乙女らを殺す理由はないと放置しました。彼なりの温情なのかは分からないのですが、そうしたのです。すでに早乙女は動くのもキツイほどで戦闘力が無くなっています。残りは葉山とマコトですからイージーです。もし千葉がトーンと早乙女を突き落とせば、それで終わるわけです。ただ早乙女らを生かしておいた方が良い理由は洞窟内と変わっていないとも思えます。それは後方から猿が襲ってきた場合です。そのときは動きの遅い早乙女、葉山、マコトがまず狙われますから千葉にとって逃げる時間稼ぎとなるわけです。