吉田君の存在する意味が分かり満足できる回でした。
ヘリを奪った十王チームはまず吉田に塔のコードを見せました。すると処理中に吉田は脳内で管理者に出会います。脳の出た管理者はこれまで自分と相性の良いボディを探していたのです。ご存じの通り管理者はその境界維持能力を最大にするために体は車椅子で脳が出てしまっています。それも強制的に何者かにされたのですから大変です。管理者はルール違反ですが他者の体を乗っ取って神になることを目指しています。
管理者は吉田の脳を強制的の乗っ取ることもできますが説得してからの方が能力が高いと考えています。そこで管理者は吉田の幸運や素質を賞賛して彼の心をつかみました。さらに吉田が能力のわりに皆に認められていないことを指摘します。管理者が協力すれば皆からの評価を変えられると心のスキをついたのです。彼は吉田にまず十王を殺すことを提案して取引を成立させました。吉田チームは手下の仮面を十王に洗脳されて崩されたのですから恨みがあるのです。さらに吉田自身も人質のように屈辱を受けて子供あつかいされています。
吉田が管理者と握手するシーンが最高だと私は思いました。主に十王への恨みを晴らす目的で吉田は脳を乗っ取らせて体を貸すことに同意しました。我々は管理者の悪い面を読んでいるのでその取引は危険だと分かりますが吉田は違います。コードの処理中に脳内に現れたとんでもない男が管理者です。脳内に入り込んだこと自体が管理者の高い能力を物語っています。吉田はうまく丸め込まれて出会って数分で体を貸すことに同意してしまいました。普通に考えると脳が出ていて目が真っ黒な異常な外見の男に自分の体を貸すのは間違っています。しかしもしも管理者が普通の見た目で良いスーツでも着ていたら信頼してしまうのではないかと私は思いました。
吉田はヘタレでクチナシの仮面をかぶって天使の手下を得ても殺しはやらないように生きていました。つまり普通の少年がクチナシの仮面をかぶったケースが吉田なのです。その吉田を洗脳する管理者のエピソードは秀逸です。何も十王のように快楽殺人者ではなく、吉田は普通のヘタレ少年です。彼を洗脳するということは誰でも洗脳できることになります。