犬はえげつねえ、というセリフが印象的でした。
五条と徹は犬を解き放つことに成功しました。奴らを相討ちさせれば港への道が安全になるのです。犬は群れで熊を囲みスキを見てチョイ噛みを続けました。犬としては包囲して熊の逃亡を防いで疲労をさせる作戦です。作中では描かれませんでしたが、もし熊が逃げようとすれば背後から襲い掛かるのです。そして熊の行先に先廻りをして吠えて威嚇します。すると熊はもう逃げられないという塩梅です。
五条たちは宿舎の戸締りをして再び安全な建物を確保しました。ただ、もし熊が本気を出せば宿舎のドアぐらい破られてしまいます。熊が犬に気を取られてそのアイディアを思いつかないことを祈るばかりです。
犬の方が持久力に優れていて有利だとはいえ、熊のクロー攻撃は強烈です。ひとかきで熊は犬に致命傷を与えられます。数時間の戦闘により犬は数匹、命を失いました。だんだんと減っていく犬軍を見て五条は不安がりますが徹は余裕を見せています。実は熊は連続行動により疲労して脳の温度も上がっていたのです。これはたとえて言うならばマラソンです。犬軍は普段から一日中走りまわるトレーニングをしています。それにたいして熊は短距離走者なのです。その短距離走者が後ろから拳銃を突きつけられて急にマラソンを強いられているようなものです。速度を落とすと撃たれる必死のマラソンを長時間続ければ死んでしまいます。