冒頭でチラリと島のことが触れられていました。
まずは生徒たちが船で島に渡ってきた当時のことが描かれます。宿舎は港の反対側にあり、そこまで歩いたようです。島には100名ほどの島民が住んでいて私は漁業などを営んでいると考えています。もしその100名が島にいれば犬との戦いで協力できると思いました。
生徒たちは辺鄙な島の環境を軽くディスっていますが私はこのあたりはリアルではないと感じています。島が様々な点で不便であると分かるのは、しばらくそこで暮らしてみてからなのです。まだ着いて間もない生徒たちは見る物全て新しく美しい自然などに圧倒されていると思われます。そして都市部の便利さは普段の生活では意識できないので島の事前情報だけではその差を実感することは困難かと思われます。
場面は転換して犬の騒動が起きた後の宿舎に戻りました。志津間たちは停電していることに気づき不安がっています。志津間は助けが来るまで宿舎にこもっていることを主張しましたが反対する者もいます。私は志津間に賛成です。この臨海学習は三泊の予定で船もチャーターしています。その三泊が過ぎれば帰ってこない生徒たちを心配して本土では保護者が必ず警察に通報します。すると警察が島に上陸して救助が始まるのです。誰かが嘘の情報を流して三泊の予定が延びるということも考えられますが、それも数日が限度です。一週間も生徒たちが帰らなければ連絡が取れていたとしても警察は動きます。時間は生徒たちの味方です。
港への道中で足止めを食らっている五条たちですが丹羽がやられました。ひとりで逃げ出した丹羽に犬が襲い掛かったのです。私はこの場所は退路が無いと心配しています。港への道は土砂崩れで歩きにくく宿舎への道も遠いのです。そのほかは森の中に犬の群れがいて危険な状態です。
五条が丹羽のやられたのを見て戦闘を開始しました。政や徹たちは土砂崩れの山の高い所へ逃げました。どうやら高さがあると犬は簡単に上がって来れないようです。ひとりでイキっている五条は犬に囲まれています。政は犬が交互に接近して五条に棒を振らせているのを看破しました。犬は軽く近づいて五条の体力を奪っているのです。まずは敵を包囲して疲れさせるという犬のクレバーさに私も驚きました。