猿にしては大胆な夜襲だと思いました。
火が暮れたため撮影隊は火を焚いて露営をしています。チョウは過去にこの山で猿の取材をしたことを話し始めました。チョウたちは撮影の事前調査として三泊四日この山で過ごして危険性はないかを調べていました。そして落とし穴の中にトゲトゲを仕込む罠を設置したのです。そこへ何者かが落ちて逃げました。トゲトゲには血がついていて猿のものだと思われます。猿はその後、チョウたちの仲間の2名を襲って連れて行ってしまいました。猿のしわざだと確定はできませんが過去に犠牲者が出ていることが判明しました。猿は落とし穴の恨みから人間に同じ罠を仕掛けてマッシーの命を奪ったと思われます。
チョウは火を焚いていることが危ないと感じ始めています。猿は夜間に落とし穴にかからなかった経験から夜行性ではないとチョウは考えているのです。私は当然、モンキーピークも読んでいますので猿が夜間そこそこ動けることも知っています。そうであれば人間が猿を発見しやすいよう、そして戦いやすいように火を焚いておくのは悪手とは言えないのです。猿とて火を体に付けられればダメージが入るのは当たり前です。ただこの猿は火があるからといって恐れるようなことはないのです。
猿はすでに撮影隊の直上の木の上にいました。そしてダイブした猿はみかんの腹をこん棒で突いたのでした。私はこの猿の攻撃は意外に感じました。ご存知の通り猿は孤立した者を襲います。ここには屈強なダイブツや男衆がいて猿も反撃される危険があります。しかし猿が襲ったということは今、やっておかなければ状況が人間に有利になるという意味です。夜が明ければ撮影隊は退路を発見して人里に降りてしまいます。猿は夜間に何としても人数を減らしたり負傷者を出して撮影隊の足止めをしたいと見えました。今は負傷者が一名ですがこれ以上増えれば、おぶっていく者の数が足りなくなります。