消防士がチョイチョイ非情な判断をせざる負えないのは印象的でした。
会社員の吉田たちはゾンビに囲まれた会社から脱出しました。すると消防署が避難場所になっていることに気づきます。しかし消防署もゾンビに囲まれていることが分かり絶望的です。設定ではゾンビは赤い色に反応するので消防車などはご法度です。放水によりゾンビ網に穴が開き吉田たちは逃げ込みました。そこには多くの住民が避難していたのです。
女性社員が侵入したゾンビに襲われかけました。すぐに皆で制圧しましたが署長の土方が出てきました。署長はその女性に怪我は無いかと優しい言葉を投げかけました。私は相手が若い女性であることから署長がヒーローを気取ったのかと思いました。しかし現実はそんな甘いものではありませんでした。署長の土方はゾンビに噛まれたかどうかを確認しにきたのです。消防士たちはゾンビに噛まれると感染して、その者もまたゾンビになってしまうことを的確に看破していました。この非情な確認は子供に対しても行われました。怪我をして気分を悪くした者などはゾンビ感染が強く疑われるのです。
後半では会社員の吉田が家族に電話をかけるシーンがありました。電話の向こうでは感染したと思われる隣人に襲われる吉田の妻と子供の声が聞こえてきました。なるほど漫画作品ですのでカメラワークは自由自在のはずです。しかしここではカメラは電話をしている吉田のみにフォーカスしていました。妻の音声のみ聞かせることで吉田の焦りと現場の緊迫感が表現されています。