ヒグマの行動に矛盾が無いと感心できました。
瀬戸は自分に注意を引き付けたためヒグマに肩口を噛まれました。私はブンブン攻撃が来ると予想しましたが意外にもヒグマは瀬戸の顔面を爪で切り裂きます。これまでヒグマはブンブン攻撃の後に頭部を破壊する手順を踏んでいましたが今回は省略しています。私はその理由を考えましたが瀬戸のヒザが原因です。彼はヒザを怪我していて歩けないのです。ヒグマはまだ走って逃げられる獲物に対してその動きを封じるブンブン攻撃を仕掛けます。ですから今回の瀬戸は歩けず逃げないのですからブンブン攻撃は不要なのです。そしてヒグマは次の手順の頭部の破壊を行います。矛盾が無く論理的な行動に私はゾッとしました。
瀬戸の頭部が千切れ大量出血の描写がありました。これで彼の死亡は確実です。再び庁舎に向かって歩き始めた薫と美々の前に密猟者の西が現れました。西は単独で小屋から逃げていたようです。彼は薫が自分の凶行を知っているので始末しに来たのです。このまま薫が救助されると西の悪行がバレてしまいます。そこで彼は熊のしわざに見せかけて銃で彼女らを殺害するつもりです。ところが美々の熊スプレーにより西は拘束されて簀巻きにされてしまいました。この手際の良さを見ると薫と美々はもし西が現れた時にどうするか相談していたようです。
西は拘束を解いてもらうために床下の謎を話し始めました。昭は小屋の床の穴を必死に修理していました。私は穴からヒグマが入ってくる恐れがあると考えていましたが間違いでした。床下には夏目教授の遺体があり、それを昭が隠しているというのです。昭が隠すということは教授の死に彼が関わっていることを意味しています。ただ薫はそれを聞いてなお拘束を解かず、西を木につるしたのでした。高い所にいれば西もヒグマに襲われにくいという彼女の温情措置です。