水からも感染するとなると厳しいと思いました。
中央塔は避難民に水を解放しました。滝のように流れ出る水に民衆は集まってきます。顔に傷を持つ甲斐は水処理施設でプカプカとゾンビが浮いているのを見てしまいました。すでに水は汚染されていて飲むとゾンビに感染すると思われます。私は水処理施設の水を煮沸や蒸留すれば飲めるか、など考えてみましたが甲斐の表情からは厳しいようです。
テロ組織の赤い九月は、ワクチン開発成功の祝賀会を狙って塔の奪還を狙っています。民衆が水を奪いに混乱したスキを狙うのです。面白いのはキョウなどの愚連隊も中央塔憎しで共通しています。水を独占された恨みはゆるぎないようです。ワクチンが開発されたことが本当なら生活環境も良くなっていくはずです。しかし幹部への不信感や恨みは消えずに暴動を起こそうとしています。
島本はワクチンが開発成功したことをドーム内の大画面で証明しようとしました。その方法はゾンビ化した小津博士に自らの腕を噛ませるというものでした。幹部の島本が自らゾンビに感染するということはワクチン治療が成功していることの証明になるのです。しかし不運にも暴動の爆発と重なり島本はワクチンを打ち損ねました。そして彼は小津博士に食い殺されたのです。
赤い九月に協力している勇吾はマキたちとドームへ来ました。勇吾もワクチン治療をされていて人間とゾンビのハイブリッドのような存在です。このような作品ではゾンビは死ぬか、という問題があります。ゾンビは心臓など血流が止まったまま動き続けます。そして頭部が破壊されると動けなくなるのです。勇吾やマキなどワクチン治療者は血流が戻ってきているようにも思えます。そうであれば彼らが大怪我をすれば大量失血して動けなくなると思われます。勇吾たち治療済みの者の死因は通常の人間とほぼ同じだと私は考えています。