私は眞人が生きていると思っていました。
祐希は地下鉄の線路を歩いて子供たちを迎えに行っています。その際、眞人はもう死んだと彼女は考えています。爆発直後、スマホには短いテキストで眞人からの連絡がありました。その文字が爆発後に送られたものだとすると眞人は即死していないことになります。ただ彼がいるのは爆心地に近い場所で火災も心配されます。そこで祐希は眞人はもういないと考えたのでした。
祐希は地下鉄線路上でライトを落としてしまいパニック状態になりました。そこへ眞人が通りかかり適切なアドバイスをします。いささか都合の良すぎる夫婦の再会に見えましたが、その眞人は幻影でした。このあたりの描写でだいぶ祐希もまいっていることが読みとれます。
地下鉄の中を歩くシーンで私が考えたのは地図の問題です。スマホが機能していればどこへでも歩いていけます。しかしそれが無ければ紙の地図しかないのです。常時紙の地図が手元にあるとは思えません。その場合は頭の中の地図で逃げるしかなくなります。結果として間違いにくい鉄道沿いに動くことになりそうです。地上の鉄道なら遠くからでも目印になります。そして普段使う路線なら頭の中にマップが入っているのです。地下鉄を歩くなら一本線で迷うことはないと思います。しかも鉄道が動けばすぐにそれに乗れる駅を経由して歩くのですから効率が良いのです。