どこにでもある窓ガラスが曲者だと分かりました。
佐原祐希は勤め先のバイク屋でJアラートを聞きました。すぐさま安全な場所を確保しましたが猛烈な爆風などで店長や同僚が死にました。ここではなぜ核攻撃で人が死ぬのかを詳細に描いています。まずはじめに熱線です。これは爆発による強烈な光とともにやってきますので窓の近くや屋外では防げないのです。ですから窓ガラスの見えない屋内や地下に移動する必要があります。その後、一分間ほど照射される初期放射線からも身を守る必要があります。これはほぼ熱線に対する対処と同じで屋内や分厚い壁などで防ぐことが可能です。最後は爆風です。猛烈な爆風により窓ガラスなどが割れて飛んでくるのです。
作中では東京都心が核攻撃を受けて50万人ほどが亡くなるという衝撃的な展開になっています。たしかに東京都心は狭い地域にたくさんの人が動いています。新宿も都心から4キロ圏内、品川でも7キロ圏内です。これは逃げる時に重要になってくると思いました。まずどちらへ逃げるかを間違うと放射線の高い爆心地を通過してしまうということも考えられます。例えば豊洲から新橋方面へ逃げて被ばくしてしまうこともあるのです。とはいえ安心材料も描かれていました。核攻撃による被害者の多くは初期の熱線などによる死因がほとんどです。ですから一度爆発がおさまってからなら逃げるルートはあまり関係ないとも解釈できます。