怖いサバイバルホラー漫画の感想

なるべく事前情報を入れずにサバイバルホラー系漫画の感想などを書いていく。

モンキーピーク第4話のあらすじと感想

進むか止まるかの判断が面白いと感じました。
矢ノ口落としで背後から襲われた社員たちは坂下に転落してしまいました。もしかすると猿はコレを狙って急襲したのかもしれないのです。思えば最初に猿が出現したのは社員が寝ている時間帯でした。このように猿はスキをついて少しづつ殺害を行っています。逆に言えば全員が注意を払っていて集まっている場合には猿は来ないことになります。
転落により死者と動けない怪我人が多数出ました。ここで社長は動けない者を置いて電話のありそうな山小屋まで行こうと決断しました。すでに水や食料が尽きていて、じっと止まっていると全員死亡するという厳しい状況です。動けない者を野外に置いていく社長の決断は苦しかったろうと考えられます。極限状況でのリーダーの考えが描かれていて、とても魅力的な作品です。
ここでは矢ノ口落としからすぐ引き返すほうが客観的に良いようにも思えます。しかし猿側もそれに対応していたと想像できました。この場所のせまい階段は虎口のようになっていて、一人づつしか登れないのです。上で猿が待ち構えていれば頭をナタで割られることは確実です。一人でもナタで襲われれば後に続く者はそれ以上階段を登れなくなってしまいます。

モンキーピーク第3話のあらすじと感想

多くの社員がトラップにかかった事が理解できないため緊張感が高まりました。
早乙女だけが標識のトラップを見破り先頭に引き返すように叫びました。しかし周りは簡単には理解してくれなかったのです。自分たちが襲われる理由が見当たらないというのが主な理由だと考えられます。また引き返すということは大猿のいた方向へ進むことになります。
この標識の仕掛けは単純で効果的なものだと思いました。しらび山から下山するため社長たちは矢ノ口へ向かいます。しかしその矢ノ口の標識は何者かに変えられてしまっていました。矢ノ口にはこの先に進むと矢ノ口があるかのようなニセの方向版がかけられていたのです。そのため矢ノ口から分岐して下山すべき道を見逃してさらに山奥に進んでしまいました。板切れ一枚で集団を誘導する仕掛けはリアルであり見事です。
下山ルートを通り過ぎた一行は矢ノ口落としという急坂に差し掛かりました。この坂はハシゴのような細い階段があるだけで一人づつ慎重に降りなければ危険です。そこへ大猿が背後から迫りました。このあたりで私は大猿の知性を感じました。まず坂の上と下で集団が分断されています。さらにハシゴがせまいために逃げるに逃げられない状況です。そこを狙って襲う大猿は人間のような頭脳を持っていると思いました。

モンキーピーク第2話のあらすじと感想

主人公が明確に誰であるか分からない状況が楽しめました。
この作品は主人公を特定しにくいと思いました。一応、早乙女という若い男性社員が主人公候補です。しかし決め手になる描写は物語冒頭の山岳事故シーンだけです。この主人公がまだ分からないという怖さは確かにあると思いました。もしも主人公が確定すればその人物は死なないのです。主人公が死亡するならば壮大なエピソードをからめた終盤です。しかしまだ二話の段階では主人公は絶対に死んではいけないのです。逆に言うと主人公が不明な段階では誰が死亡してもおかしくないという不安定な怖さがあると思いました。
研修中に回収した携帯電話が見つからないことで事態はさらに悪化してしまいました。もし携帯で救助を呼べるならば動かないという選択肢があります。天候も安定してるようなので24時間あれば必ず助かると思われます。しかし救助が呼べないので自ら下山するほかなくなりました。このあたりは山岳ならではの恐怖だと思いました。
メガネの社員がシムカードの無いスマホで地図を見ていました。社長も地理を把握しているようで皆で下山ルートに向かいました。この後、トラップが仕掛けられていることから人為的に攻撃されていることが分かりゾッとしました。