怖いサバイバルホラー漫画の感想

なるべく事前情報を入れずにサバイバルホラー系漫画の感想などを書いていく。

彼岸島第174話の感想とあらすじ

篤が復活するルートは完全に無くなったと思いました。
明たちは篤の首を落とし埋葬しました。こうなれば篤の復活は絶望的です。もし明が手心を加えていて首を切っていなければ雅の血で再生することは可能です。しかし埋葬したのでその場の全員が篤の首が分離しているのを見ているはずです。また、首が切断されたとしても直後であれば雅の血の再生パワーでチャンスはありそうですが埋葬には小一時間はかかりますので、その可能性も無くなります。結局のところ篤が復活することは設定上ありえないのです。
501ワクチンは決闘場所にずっとありました。私は師匠がワクチンを持ってきていると考えていましたが無人の修行道場に置きっぱなしだったのです。まったく危ない状態ですがこのワクチンの存在を知る者は少ないのです。さらに隠れたレジスタンスの拠点ですので誰も来ないものと思われます。
ワクチンの使い方が分からないとの話題ですが、五十嵐が亡くなっていることに気づかされました。今となっては後の祭りですが、彼が生きている間にワクチンの使い方を教えてもらえば良かったのです。その難題もすぐに解決できました。篤はワクチンの使用法を金庫にしまっていました。思えば加藤は決闘中にワクチンを盗んでしまおうと企んでいました。しかし使用法が不明なことが結果的に安全策になっています。ワクチンを不法に盗んだだけでは意味が無いのです。



彼岸島第173話の感想とあらすじ

篤の最後は意外な形で幕を閉じました。
上半身だけになった篤は弟の明に首を切れと求めてきました。婚約者の涼子も篤の願いをかなえて下さいと言ってきます。そこまで言われた明はとうとう決断します。篤の最後は明がとどめを刺すのです。ここで師匠がケンたちを外へ連れ出しました。最後の別れの瞬間を邪魔しないための配慮です。私が気になったのは目撃者がいなくなる点です。もし明が篤の首を切っても目撃者は明だけになります。最初からそれを嫌がっていた明が篤を生かすために偽装をする可能性は残ります。上半身だけになった篤がどれだけ生き残るのかは不明ですが数時間後に雅の血をかけられることは考えられます。作中では明が死の偽装をする気配は全く感じられませんでした。しかし最後のシーンでは篤のパーカーの頭部分が切り取られ分離しています。そして頭部は見たかぎりでは無くなっているのです。
印象に残ったのは洞窟集落の老人たちが村に火を付けている点です。ある者は刀で首を落とし、ある者は火の中で絶命しました。教会に様子を見に来ていた老人が村に戦況を伝えたものと思われます。長である篤が瀕死であることを知った村の老人は、かねてから決めてあった通りのことを実行したのです。この悲しい決断に私は戸惑いました。雅からの血の配給を受けられなくなった老人たちは邪鬼や亡者になってしまいます。そうなれば村人同士が殺し合う凄惨な最後が待っているだけです。





彼岸島第172話の感想とあらすじ

元婚約者の涼子は、なかなかのキャラクターだと感じました。
瀕死の篤の元へ涼子と老人たちがやってきました。彼女らは洞窟集落で雅から血をもらってほそぼそと生きています。吸血鬼の中でも病人や老人は離れた集落で暮らしているのです。雅としてはいつでも切り捨てられる集落だということで、それは老人たちも理解しています。現在は篤が集落の長をしていて雅からの汚れ仕事を請け負って血の配給を受けています。その集落の者たちがなぜか篤のピンチに集まってきたのです。何か胸騒ぎのようなものを感じて来てみたようにも思いました。
涼子は命乞いをするどころか篤の首を切るように明に求めました。それが篤の最後の望みだというように彼女は懐刀を出しました。篤が死ねば洞窟集落では彼女ら生きていけないのです。ですから懐刀を出して自決すると言っています。明は篤ひとりを殺せば集落の老人たち全員を殺すことになってしまうのです。しかし逆の見方をすれば皆すぐに自決するので集落で無配給に苦しむ者はいなくなるとも言えます。
武家の娘を思わせる涼子のキャラには圧倒されました。今までは雅に凌辱されるだけの女性像でしたが彼女は主体的にここにやってきたのです。