怖いサバイバルホラー漫画の感想

なるべく事前情報を入れずにサバイバルホラー系漫画の感想などを書いていく。

モンキーピーク第34話のあらすじと感想

奇妙な八木兄妹の物語上の役割が分かってスッキリしました。
目の異常に大きい八木兄妹は登山の熟練者です。そして彼らはこの山にも何回も登っていて滑落事故にも詳しいようです。今回気づいた点はこの兄妹は解説者として見ることができるということです。八木兄妹は社員たちの現在の状況や位置から危険はどの程度あるのか、生還の可能性はあるのかを予想してくれています。例えば以前、宮田の革靴を見て次の山小屋まで行けないと言っていました。
今回兄妹は早乙女の裸足を指摘しています。裸足では氷点下になる山の移動に耐えきれないということです。ここで着目すべきは兄妹が現在、山小屋にいるということです。そもそも熟練者である兄妹は自分たちでも日没までに次の目的地にたどり着けないと判断していました。もし兄妹が宮田グループに入って先に進んでいれば的確なアドバイスを出来たと考えられます。しかしそれでは厳しい状況になる前に被害を最小限に抑えてしまいます。サバイバル作品の見せ場としてギリギリの生死の境を描かなければならないという必要性はあると思いました。だから八木兄妹に解説や予想をさせて宮田グループにはアドバイスをさせないという形になったと思いました。

モンキーピーク第33話のあらすじと感想

情けない岡島の自己犠牲というドラマチックな展開でした。
鎖を保持する宮田は岡島と猿の合計体重を支えています。早乙女は崖に移ってなんとか岡島を登らせようと必死です。しかし岡島は岩に移ることも出来ず宮田の体力も時間の問題です。このままじっとしていれば猿と宮田と岡島は鎖でつながれたまま落下することは明白になりました。もしかすると宮田を支えている林さんや早乙女まで巻き込む可能性もあります。残酷な考えですが岡島さえいなければ他は助かると思われます。
岡島は自分を最後まで見捨てない人々を生かすために決断をしました。それは自分が犠牲となって猿と落下することです。この場面はとても意外性があって驚きました。岡島は鎖を自ら手を放すのではなく取れそうな岩の固まりをはがして落ちたのです。そして岩と岡島が猿に当たり落下していきました。彼は明確な行動で猿を道連れにして落ちたのです。
岡島の最後の表情は秀逸です。泣いてはいますが明るい笑顔のような満足した表情です。そして目の合った早乙女に手を振っているようにも見えます。これは別れを伝えるとともに落下は自分の意思であることを示していると感じました。この最後の表情はアクシデントや偶然ではなく彼の狙いだったことを伝えたかったと思いました。

モンキーピーク第32話のあらすじと感想

宮田の格好良さと無謀さが良かったです。
早乙女の石を入れた服落としによって猿にダメージが入りました。しかし猿は鎖の一番下を何とかつかみ落下を防ぎました。崖をガツガツ登ってくる猿を見て私は矛盾を感じてしまいました。猿はこの難所カニ歩きを鎖を持って渡ろうとしました。しかし今の猿は素手で鎖など使わずに登ってきています。いったい猿の移動能力はどうなっているのか戸惑ってしまいました。
宮田が鎖を体に巻き付けた場面は興奮できました。これは絶対に鎖を離さないという意思の表れです。もし鎖を保持できなければ自分まで落下してしまうという状況を作り出しています。しかしこれが裏目に出ているような気もしました。まず動けない岡島を助けるために早乙女が鎖をつかんで下りました。下から上がってくる猿も鎖をつかんできます。この二人と一匹の体重が宮田の肩にかかってしまいました。クールな顔をして熱く無謀な男、それが宮田なのです。
猿は鎖をつかんで壁を左右にダダダダと移動し始めました。これは宮田に荷重がかかるようにして鎖を手放させる作戦です。もし彼が鎖を放すと猿まで滑落する危険があります。はたして猿は高所から落ちても平気な体なのか気になりました。