これだからダーウィンズゲームを読むのをやめられないという印象が残りました。
軍が囮になって雑魚グリードを引き付けている現場をオージが遠視しました。さらにグリードを転送してくるポイントには黒い箱のような巨大なものがあり現実とは思えないほどです。その黒箱はオージの遠視をはじき返す異常な物体です。GMイザヤの見立てではここは他の世界線と融合していてシギルを跳ね返しているということです。その異常事態を放置するとどうなるのかとカナメはイザヤを問い詰めました。するとイザヤは笑顔で世界が滅ぶと言い、カナメも笑いました。私はこの場面を当作品のベストシーンのひとつに挙げたい気持ちです。あまりにも悲劇的な壊滅的な結果が起きるかもしれない状況を知った時、人は笑ってしまうのです。あるいは絶対に勝たなければならない戦闘を前にして武者震い的な笑顔として最高のシーンです。
オージ、スイ、サイゴウ、アリサは後方で支援するため待機となりました。そしてカナメはオージに後方の指揮権をまかせます。私もこの後方四名のうちオージを最も重視しています。その理由は遠視のシギルがあるからです。カナメが声でオージに何かを伝えれば、それを見た彼は遠方で声を受信できます。つまり通信の途絶えた現場で唯一、オージだけは全員の声を聴く可能性があるわけです。さらにオージ側から現場の異変を視たときはサイゴウらは伝令として向かわせれば相互の通信も可能になります。つまりスイの水のシギルでオージを守りながらスイ、サイゴウを伝令役とすると私は予想しました。
さらに面白いのは現場チームの人選です。現場はカナメ、イザヤ、レイン、リュージ、オボロ、マコト、セイゲンの7名です。まずレーベンズとオボロはいつものメンバーで意味は分かります。打通作戦を立てて戦闘能力もあるイザヤ、そしてマコトも現場チームなのは納得です。しかし盲目の蛇ハチマキことセイゲンも現場に歩いてきているのは衝撃的でした。彼は未来を予言でき、グリードの細かい動きを予想できる立場です。しかし現場まで連れてくる必要はないように私は思うのです。ただ世界線は違いますが経験者として現場に来ている老人といったところです。
セイゲンのアドバイスで敵の主力グリード3体の対処法が決まりました。まずウィッチと呼ばれる飛行少女に弱点はないため火力で対応します。次にタワーと呼ばれるパワー系グリードはなんとセイゲンがひとりで対応するというのです。私は蛇ハチマキには荷が重いと考えました。最後のエミュレーターと呼ばれる複数のシギルと使いこなすグリードに対してはカナメが対応することになりました。特に理由は明かされませんでしたが心情的にはダンジョウの敵討ちという意味があります。しかしこの状況で私怨を考慮する余裕はないのですから他の理由がありそうです。強めのシギルを次々の繰り出す金髪グリードに対しては頭脳戦になる可能性が高いのです。あるいはシギルごとに違う武器を次々に繰り出せるカナメが適任と思われます。ぞくぞくする展開が予想出来て最高です。