千葉隊長は最高だなと思いました。
隊長の千葉が渡っている最中にワイヤーの後方が外れました。古くなっていて体重に耐えられなかったのです。しかし早乙女がワイヤーをつかんで吊り橋状態を維持しました。もし彼がワイヤーをつかめなければ千葉は中吊りになってから落下したと思われます。高所でパニックになった彼はそのまま動けなくなっていたのですから中づりなら、なおさら危険です。もちろん前方の清水と沼口がワイヤーを引き上げることも考えられますが、それまで千葉の握力が持たない恐れもあります。これは早乙女の好プレーが千葉を救ったと考えるのが正解です。
誰も助けに行けない状況でマコトがもう一本のワイヤーを渡ってきました。自分がロープを持って千葉を助けに行こうかと言うのです。体重の軽いマコトならそれができるので適任です。彼は言語は忘れていて子供なのですが意外にサバイバルに適しているとも思えます。
私はワイヤが外れたことで後方から誰もやってこれないと瞬間的に思いました。それは赤崎と内閣情報室の高橋です。赤崎はニセ軍人が脱出すれば猿の絶滅につながると暗殺しに来ます。高橋は赤崎の麻酔で寝ていて隠れたのですが運よく生き延びたようです。ただワイヤーはもう一本残っていますから後方から誰が来ても不思議ではないのです。
マコトが持ってきたロープを結んだ直後に早乙女の握力が限界でワイヤーを話してしまいました。私はここを見てロープがあるなら最初から使えば良いと思いました。しかしロープの長さが足りなければ命綱として不十分です。となりのワイヤーにロープをループ状にして命綱とする方法もあります。しかし一人目が渡ってロープをどう後方の者に受け渡すのかが問題です。丸めて投げるのもありますが貴重なロープがミスで落下する恐れもあります。
助かった千葉ですがとんだ醜態をさらしてしまいました。何か清水ら隊員たちは千葉のパニック癖をしっていたかのように慣れた感じで対処していました。ただ民間人には初めてそれを見られたのですから偉い隊長の権威が台無しなのです。少なくとも千葉はそう思っているはずです。この命がけのタイムリミットの中でそれは些細なことですが、なぜか彼はガチギレ状態です。