グリードDは作品上ダメではないかと私は考えています。
圏外村が襲われてスズネはグリードDに追い詰められました。この金髪グリードDはシギル使いの能力を奪って複数のシギルを使いこなす猛者です。しかもワンに姿を変化させて威嚇も充分に助太刀にきたカナメと戦闘になっています。敵は身体強化と治癒のシギルを持っていてカナメが心臓を一突きしても余裕を見せました。普通に考えると心臓ですら治してしまうのですから弱点は少ないと思われます。この敵を倒すには頭部を粉砕して意識を失わせるしかなさそうです。ただ無意識でも治癒シギルが発動するタイプならやっかいです。治癒できないほど体を粉々にしたり炎で焼き尽くしたりすることが求められます。
スズネが解説したとおり戦闘の技量ではカナメが上です。しかし無限に体を治癒する金髪に対してカナメは疲れてしまいます。
空中に浮かぶククリとシュカは精神だけをこの世界線に飛ばしてきました。ククリはシギルはひとりひとつということを話して金髪の複数能力のおかしさを指摘しました。これは金髪グリードDの中に複数の人格がいて自在にそれを出すことで行っていると考えられます。私は水のシギルのスイの中にもうひとり人格がいることを思い出しました。なるほど金髪は他人のシギルとともに記憶も奪うことが可能です。そうであれば記憶まるごとを新しい人格として無限に人格数を増やすことができます。シギルだけを奪った相手でもギリギリ人格も吸っていると考えれば矛盾はないのです。
金髪がダンジョウの頭に爪をたててシギルを吸おうとしたとき、シュカが鎖で攻撃をしました。シュカは霊体しかよこしていないので鎖が当たってもダメージが入ることはないと私は考えています。しかし金髪はシュカの霊体が見えるらしくカナメとの戦闘中に思わず鎖を避けてスキが生まれました。ちなみにカナメは霊感がないらしくククリとシュカが見えていないのです。
戦闘が盛り上がってきたあたりで空中には虫の大群を率いたウィッチという少女キャラが出現しました。ウィッチは金髪のことをエミュレーターと呼びジッターからの情報で戦闘を中止するように命令しました。ウィッチはわれらの王が見つかったので撤退だと理由付けます。私はグリードDがワン(王)に変身していましたから、まぎらわしいにもほどがあると立腹しました。それはともかくワンに変身したグリードDとウィッチなる謎の少女はカブトムシに乗って撤退します。圏外村は防衛に成功しましたがダンジョウは死に大きな被害がでました。シュカとククリは元の世界に帰って何やら次の行動に出るようです。
強すぎるグリードDですが私はダメではないかと感じました。不死のような体で変身も自在です。これでは敵の能力の秘密を解明する楽しさや能力の応用の見事さを超えてしまっています。戦闘シーンもずぶずぶと沼にはまっていくような不気味さがありました。カナメが勝利するとしても詰将棋のようにではなく敵のうっかりミスで棚ぼたのような予想ができました。