謎の多い展開で引き込まれました。
ククリの術で現代日本に帰ってきたカナメは渋谷が妙なことになっていることに気づきました。渋谷は地割れやビルが壊れて停電しているようです。モヤイ像やハチ公像には草が茂っていて長期間、放置されていることを示していました。カナメは自分が異世界に行っていたのは四か月と言っていますが、現実の日本では数年ほど経過しているように私には思えました。
街にはスマホの電波も無く仲間の生存も未確認です。そのためカナメはとりあえずレーベンズのアジトのビルに向かいました。その途中にGM(ゲームマスター)からの電話を受けましたが、ここが異世界ではなく元の世界線であることを説明されました。私はこの時、カナメとゲームマスターNが似ていることに気づきました。白髪のGMはもしかしたら未来のカナメの姿ではないかと思えるのです。ただ仮にそうであったとしても今は仲間の生存を確認することが優先されます。また一つ目マンモスが出現していてククリの世界で見た壁画を思い起こさせました。
レーベンズのビルにカナメが到着すると、そこは廃墟になって放棄されていました。むろんほかの商業ビルも廃墟ですから当然といえます。ビル内には熊のような生物がいて襲ってきました。カナメはショットガンと大ナタをシギルで作り出して難を逃れます。おどろくことに地下室には初めて見る子供二人が隠れていたのです。この姉と弟も廃墟をさまよってこのビルに偶然たどりついたようです。
私はこの子供たちが怪しいと感じています。まずDゲームやシギルのことを当然のように知っていました。父親から教わった知識だと考えても少し違和感が残ります。そして幼い子供二人でこの廃墟の町でサバイバルしてきたのも不自然です。そのラッキーチルドレンが偶然、レーベンズのビルの地下に隠れていたという状況もチョイとやりすぎなのです。