濃厚なエピソードになっていました。
ショッピングモールの一階にはゾンビが侵入して防御しきれなくなっています。毒島チームはモール内の避難民を屋上に誘導してから脱出するつもりです。そもそも孝たちはここを去って両親を探しにいくつもりでした。しかしパニックに陥った避難民を見捨てるわけにもいかないので屋上に避難させる気です。水や食料が限られる現在、屋上に逃げたからといって数日間で干上がってしまうと思われます。そんな避難民を残していく孝たちは非情なのです。
モール内では避難民を誘導するために戦闘が続いています。そこには毬川を襲おうとしたニット帽子の大男がいました。たしかこの男は捕まって拘束されていたはずです。しかしゾンビの侵入に対抗するために犯罪者の手も借りたいほどの緊急事態になっています。心情的には複雑なのだと思います。
すでに二階にも多数のゾンビが侵入しているために孝は避難民に呼びかけました。屋上に立てこもるか毒島チームと共に脱出するかの二択です。私はこの二択の答えが出ませんでした。外にでればゾンビの中を逃げる危険があります。屋上に立てこもれば救助が来なければ数日で終わりです。その究極の選択が出来ない民は錯乱してゾンビにガブリとされました。
モールの外に出た毒島たちは非常口を開けた若者が泣いているのを発見します。若者はゾンビに囲まれて孤立していました。帽子の大男とあさみ巡査が助けに向かいましたが孝はステイです。孝はチームリーダーとして指揮をとっていますがここで若者を助けに行くと毬川たちが守れないと考えています。結局若者は逃げられましたがニット帽が噛まれました。そしてあさみ巡査もゾンビに囲まれてノーチャンスになっています。すると彼女は突然好きな平野に悪態をつき大声を上げたのです。私はこの行動はゾンビを引き付けるオトリと解釈しましたが気になることもあります。それは平野への暴言です。あさみ巡査は、本当はスキではないと叫んでいます。冷静に考えるとあさみ巡査は噛まれて醜いゾンビになる前に好きな平野に狙撃をさせるつもりです。その際にあさみ巡査が平野を好きであると分かると手元が狂います。つまり好きな平野に自分への狙撃を成功させるために暴言を叫んだことになります。この中で狙撃技術があるのは平野だけです。あさみ巡査は自分の命を好きな男に狙撃させて終わらせるのですから、どうかしてしまう状況なのです。そして最後に嫌いだと言わなければ平野が躊躇することまで見越した洞察力には私もまいりました。願わくば平野が全てを理解した上で涙を拭いて一発で仕留めて欲しいものです。