孝司のトラップに引っかかっているような感じです。
拘束から抜け出した勝はベージュのマンションに向かいました。そこには孝司が犯したという女性がいるのです。部屋に侵入した勝は裸で拘束された女性を発見しました。彼女の名前は小倉美沙です。美沙は備蓄食料を持っていました。勝は美沙と同居生活を開始しますが食糧確保問題があります。それにマンションはベランダからゾンビが侵入するおそれがあり、もっと安全な場所に移らなければならないのです。そんな理由で勝は外出して必要な物資を探しに行きました。
美沙は自衛隊などが救助にくるから部屋に閉じこもって時間をかせごうと主張しています。しかし勝は救助は来ないと考えて物資の調達をしようとします。どちらも一理ある意見ですがヘリが飛んでいないことから救助は絶望的のようです。このような場合は屋上で火を焚いて煙で場所を知らせることが必要です。優先して救助を受けるには生存をアピールする必要があると思いました。部屋に閉じこもっていては救助隊に発見してもらえないのです。
美沙は勝が外出することに反対でした。もし勝がゾンビに襲われて帰ってこなければ美沙はひとりになってしまいます。そうなれば電線を移動する技術の無い美沙は餓死します。私はこのシーンで男女の原始的な愛情に考えをめぐらせました。原始的な社会では女は洞窟で子供を育てて男は狩りに出かけたと考えられます。男は定期的に遠くまで狩りに出かけなければ食糧が確保できないのです。しかし男が出かけて帰ってこなければ洞窟の女は餓死してしまいます。ということは女は男が狩りに行くことには同意しますが絶対に帰ってくる保証が欲しいのです。その保証のひとつが愛情ということです。
勝が帰宅すると美沙が襲われて死亡していました。腹部を包丁でグサリですのでゾンビのしわざではないのです。そうなると孝司がやった可能性充分です。美沙は手に黒い布を持って死んでいました。これは孝司がマスクにしていた布のように見えます。そもそも美沙の部屋に侵入できる人間は孝司のように電線を伝ってこれる者だけです。
もし美沙殺しが孝司の犯行ならトラップの可能性があります。孝司は美沙を最初に犯した時に殺すことも出来たはずです。さらに勝は拘束されて生きたまま放置されました。孝司は拘束した勝に美沙の住むベージュのマンションの事を伝えていました。逃げた勝は美沙のマンションに行き、周囲から食糧を集めるはずです。そして頃合いを見て孝司は美沙を殺して食糧を奪うというなのトラップです。