ゾンビ作品の初回のジレンマを感じてしまいました。
冒頭でとある女性が全裸で倒れています。彼女は意識を取り戻しますが絶叫したので通常の睡眠ではないことが分かりました。さらに爪が伸び放題であることから長期間寝ていたようにも思えました。しかしこれほど爪が伸びるまで昏睡状態をキープするのは大変です。栄養や水分を点滴などで与えられなければ途中で死んでしまいます。つまり彼女は誰かの医療保護下にあったと私は思い込んでしまいました。
部屋の中には見知らぬ子どもがいて女性は服を着ました。この服装から判断できることは多いと思われます。まず彼女は今、何が起きているのか分からないのです。そして軍服のような装備からこれが彼女の私服ではないと考えられます。ちなみに彼女はコンバットナイフを手にして震えていることからも民間人であると思いました。とりあえずそこらにあった服を着た感じです。
突然、部屋の外から大怪我をした軍服の男性が入ってきました。彼は事情を彼女に語りました。どうやら外ではゾンビパニックが起き、かなりの時間が経過しているようです。さらに彼女もゾンビでしたがワクチンで意識を取り戻したというのです。ここで伸びた爪の謎が解けました。彼女は長期間ゾンビとして動いていたのです。そしてワクチンでようやく人間としての意識を取り戻しました。この作品ではゾンビ中の記憶はキープできないようです。
ゾンビ物のジレンマとして初回のサプライズがあります。この作品では赤城マキの視点を通して、すでにゾンビが増えてしまった世界が描かれています。ゾンビは徐々に感染して増えていくのが通例ですが、意識を失っていたため世界が一変したような驚きがあります。ただ、その場合はゾンビが増えていく初期の過程が描かれないのです。これがジレンマです。私は初期のゾンビが増えていく過程も好きなので回想シーンでの描写を楽しみにしています。